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中学生の職場体験

 遅くなりましたが、7/9~7/11の三日間、女子三名・男子一名、計四名の城北中学校の学生が、職場体験に参加してくれました。

看護師の仕事や、医療関係に興味があったり、看護師と他の職業で迷って、当院での体験を希望してくれたとのことでした。

 初日に来た際は、「緊張してあんまり寝れなかったです。」と、言葉が聞かれましたが、三日間楽しんで欲しいと伝えると、皆の表情が和らぎました。

上服のみ、当院の制服に着替えてもらい、自己紹介の後まずは外来へ。病院には、色々な職種の人がいること、皆で協力をして患者さんのために仕事をしていることを伝えた後、放射線技師・薬剤師・精神保健福祉士・検査技師からそれぞれの仕事内容や、進学先についての説明をしてもらいました。中学生が知らない職種もあったようで、新たに興味を持って、将来の夢の候補になったりもしたようです。

その後は、車椅子体験を行いました。スタンダードタイプと少し高価な車椅子と二つの車椅子で、乗る体験、押す体験をしてもらいました。「うわ、感覚が全然違う‼」と素直な言葉がぽろり・・。

そして、平坦な場所から外に出て、少しでこぼこしたり、傾斜のある道に移動してもらうと、「けっこう怖い。」と言う声も聞かれました。こんな時は、無言ではなく、「進みますね。」「曲がりますね。」と、押しながら声をかけてもらうようにしました。患者さんの身になって体験する事で、どうすれば安全に、安心もしてもらえるか考えることができ、患者さんの気持ちも理解できたのではないかと思います。

午後からは、まず看護の基本であるバイタルサイン(体温・呼吸・脈拍・血圧)について、座学を行った後、実際にペアになり血圧測定をおこなってもらいました。腕にぐるりと巻く物をマンシェットと言いますが、マンシェットにも巻く位置や、強さがあります。初めて行う緊張も加わり、学生さんも四苦八苦していましたが、皆上手に測定ができました。

 その後は、ストレッチャーの乗車体験を行いました。ストレッチャーで、頭から先に進んだ場合、進行方向は全く見えないため、患者さんに大変不安感を与えるため、進行方向に視野が広がるように足から先に進む必要があることを説明後、いざ乗車・・。「うわっ。」と声がもれていましたが、寝転んで身を預けた状態で移送される患者さんの不安な気持ちに寄り添うことの大切さに気付けたのではないでしょうか。

そして一日目最後は、病棟で七夕会に参加してもらい、患者さんとのふれあいの場を持ってもらいました。

職場体験二日目です。昨日の緊張した表情とは変わり、皆笑顔で来てくれました。

二日目最初は、愛幸病院について、そして当院は精神科のため、ストレスについて話しをさせてもらいました。皆、中学生三年生で受験勉強の真っ只中、そして多感な時期なので、悩みも多いかと思いますが、生きている限りストレスは不可欠であり、美味しい物を食べたり、お友達と楽しいことをしたりして気分転換をすることで、ストレスと休養とのバランスがとれ、心の健康につながっていくことを伝えさせてもらいました。

 次に、病棟でのシーツ体験です。看護の現場では、基本中の基本になりますが、技術以外にも、一緒に行うペアの相手と息を合わせて行うことがとても大切になります。相手の動きを見る事、そして合わせて動く事、声をかけあうことなど、シーツ交換一つの中に実はたくさんのことが集約されています。自分のことだけではなく、周りをみることを意識してもらいながら行ってもらいました。家で自分でシーツをかえたことがないとのことで、初めは「あれ❔」と戸惑いが見られましたが、職員のアドバイスを聞きながら、最後には皆きちんと息を合わせて行うことができていました。

 そして、患者さんの食事の時間には、色々な食事の形態があり、患者さんの状態に合わせた物が提供されていることなどを説明させてもらいました。

 そして、午後からは二日連続になりますが、七夕会に参加してもらいました。昨日とは、別の病棟で参加してもらったので、内容も少しかわっており、何より「昨日、あまり患者さんと話ができなかったので、今日は自分から声がかけれるようになりたい。」と、皆が目標を持って参加してくれており、患者さんと一生懸命かかわろうとしていることがとても伝わってきました。学生さんが来てくれると、いつもあまり笑わない患者さんも自然と優しい表情になったりして和やかな時間になります。とても素敵な時間を過ごすことができました。

最終日となりました。午前中は、当院のデイケアに行きました。天気が悪かったり、暑さもあり、デイケアを利用されている患者さんと一緒にボッチャを楽しみました。4チームの中に一人ずつ入ってもらい、団体戦です。学生のこの日の感想にも書かれていましたが、応援の声掛けがたくさんあったり、失敗しても温かな言葉がけを皆さんされていて、学生皆もとても嬉しそうで、すぐに馴染んで楽しい時間を過ごすことができました。

午後からは、手浴・足浴について座学をおこなった後、実際に患者さんに行わせていただきました。初めて行うことで、色々過程もあり、皆真剣な顔になっていましたが、どんな時も、患者さんの立場になって声掛けを行うようにアドバイスをさせてもらいました。患者さんから、「ありがとう。」「気持ちよかった。」と言ってもらえて、皆嬉しそうにしていたのが印象的でした。

そして、三日間通して、病院の食事を昼食として摂ってもらいましたが、患者さんの身体に合わせた形態や、味付けがあることを実際に体験してもらう機会になりました。

最後には、実習最終日と言う事で、三日間についてアンケートも実施しました。

「患者さんとのふれあいの中で、ありがとうと笑顔でおっしゃてくれた事が、とても嬉しかったです。」

「看護師としての思いやりの心が学べたので、常日頃意識して生活しようと思いました。」

「自分の好きな事を見つけて、勉強に励みたいと思いました。」

「たくさん学べることがあったので、将来に絶対役立てます。」

「初めて体験する事ばかりでしたが、色々なことができて楽しかったです。やりがいをたくさん感じました。」

「正直、ずっとここにいたいと思うくらい楽しかったですし、とても貴重な体験になりました。」

などの感想が書かれていました。皆のしっかりした感想に驚くと共に、三日間一緒に過ごし、こんなにたくさんの思いを持ってくれたことを、とても嬉しく思いました。

色々なことがあるかと思いますが、中学生の皆が、これからも元気で笑顔で過ごせるように祈っています。